第380号(令和5年2月5日) 1ページ

最終更新日:2023年2月5日

古津八幡山遺跡を見に行こう!

 古津八幡山遺跡が発見されてから35年、古津八幡山遺跡のガイダンス施設である「史跡古津八幡山 弥生の丘展示館」が開館してから10年を迎えました。1600年の時を越えてよみがえった新潟県内最大の古墳などが復元されている古津八幡山遺跡を訪れて、里山の自然と歴史に触れてみませんか。
問い合わせ 歴史文化課文化財センター(電話:025-378-0480)

古津八幡山遺跡は弥生の丘展示館から徒歩約15分
(弥生の丘展示館:蒲ヶ沢264番地 花と遺跡のふるさと公園内)

国指定史跡 古津八幡山遺跡

 古津八幡山遺跡は、信濃川と阿賀野川に挟まれた新津丘陵に立地する弥生時代の大規模な高地性環濠集落です。古墳時代には新潟県内最大の円墳である古津八幡山古墳が造られました。現在は、竪穴住居や環濠、古墳などが復元されています。
 2005年には、弥生時代後期から古墳時代にかけての社会情勢や変遷、地域間関係などを示す貴重な遺跡として国の史跡に指定されています。


竪穴住居


古津八幡山古墳

史跡古津八幡山 弥生の丘展示館

 「弥生の丘展示館」では、遺跡から出土した土器や石器のほか、旧石器時代から平安時代の復元イラスト、地形模型などを展示しています。映像シアターでは、古津八幡山遺跡や新潟市の歴史などを紹介しています。また、月替わりで勾玉づくり、弓矢などの体験も楽しめます。


火起こし体験


勾玉・管玉づくり


弓矢体験

学芸員の相田さんに見どころをお聞きしました!

すばらしい景色を見ることができます!

 古津八幡山遺跡は丘陵上にあるため、遺跡の上に立つと越後平野を一望でき、天気が良ければ佐渡島まで見渡せます。


遺跡の遠景

弥生時代の鉄剣の発見は日本海側最北

 弥生時代は鉄の利用や本格的な米づくりが始まる時代であり、その後期(約2000年前)には、それらの新たな製品や技術が新潟県にも入ってきました。古津八幡山遺跡でも鉄剣や鉄鏃、ヤリガンナといった鉄製品が出土しており、鉄器を利用していたことがわかります。また、竪穴住居からは炭化米が出土し、その一部に籾殻が付着していることから、近くの低地部で米づくりを行っていたと考えられます。


鉄剣・鉄鏃・竪穴住居から出土した炭化米

当時から北陸や東北など各地を結んでいた

 北陸地方の土器、東北南部(会津)方面の土器、さらにはそれらの折衷土器の3系統の土器が出土しています。そのほか、秋田県などの東北北部や、長野県の土器も少量出土しています。現在、新津駅は鉄道網の要ですが、はるか昔弥生時代にも、すでにこの場所が北陸や会津など、各地域を結ぶ交通の要衝に位置していたことがわかります。


古津八幡山遺跡出土土器
(左:北陸系・右:東北南部系)

これらの出土品は弥生の丘展示館でいつでも見ることができます。

これまでの発掘調査

 古津八幡山遺跡は、1987年に磐越自動車道の土取り工事に伴う試掘調査で発見されました。その後、2022年まで合計25回の発掘調査が行われています。これまでの発掘調査で、弥生時代の環濠や竪穴建物66棟、方形周溝墓5基、前方後方形周溝墓1基、古墳時代の古津八幡山古墳などが確認されています。

発掘調査面積はまだ3分の1程度!

 これまでの発掘調査面積は遺跡全体の3分の1程度で、未調査の場所も多く存在します。2017年から2022年に遺跡北東域の史跡指定地外の発掘調査も実施し、標高約25メートルの丘陵中腹域において、古津八幡山遺跡で最大となる弥生時代の大型竪穴建物や大型の方形周溝墓が新たに確認されるなど、重要な発見がありました。

高地性環濠集落(こうちせいかんごうしゅうらく)

 幅、深さとも約2メートルのV字形の形状の(ほり)で周囲を囲み(環濠)、標高約50メートルの丘陵上に位置することや、中国の歴史書の中にある「倭国乱」の記述などから、戦いに備えた防御的な集落であったと考えられています。


環濠の断面

大型竪穴建物

 大型竪穴建物は、一辺約9.5メートルと通常の竪穴住居の約4倍の面積で、煮炊き用の炉や貯蔵用の穴が存在しないことなどから、居住以外の特別な目的で利用された建物と推測されます。


大型竪穴建物

県内最大級の方形周溝墓(ほうけいしゅうこうぼ)発見

 一辺約10メートルの大型の方形周溝墓という四角いお墓が見つかり、内部に4つの埋葬施設を持つことが判明しました。県内における弥生時代のお墓としては初の複数埋葬の事例として注目されています。また、その4つの埋葬施設のうちの一つは板材で囲った空間に棺を納める「木槨(もっかく)」と考えられ、これまで東日本の墓では確認されておらず、西日本でも当時の最上位の埋葬形式であることから、西日本の有力な首長とのつながりによって古津八幡山遺跡へ入ってきたと推測されます。


大型の方形周溝墓

企画展、体験イベントを行っています!

弥生の丘展示館(電話:0250-21-4133)

企画展 「古津八幡山遺跡の過去・現在・未来」

 これまでの発掘調査成果について、出土資料や写真パネルを展示するほか、国の史跡指定、その後の整備・活用などについても紹介しています。
3月12日(日曜)まで開催中 午前10時から午後5時 月曜休館 無料

ミニチュア土器を焼こう

七輪を使って手のひらサイズの土器を焼きます。
日時 3月11日(土曜)午前10時から午後2時半 
対象 小学生以上
料金 200円
申し込み 2月8日(水曜)から28日(火曜)に同館(電話:0250-21-4133)
そのほかの体験メニューについてはホームページからご確認ください

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