第413号(令和6年6月16日) 1ページ
最終更新日:2024年6月16日
地域総がかりで創る 小須戸の教育
コミュニティ・スクール開始から3年目となりました。今後ますます「地域総がかりで子どもの成長を支える体制づくり」の推進が期待されています。そこで求められているのは、子どもにとっての学びの場が学校から地域に広がり、教職員だけではなく地域住民も先生になることです。
小須戸地区は、地域と学校が連携した取り組みを積極的に進めてきました。今号ではその活動を紹介します。
問い合わせ 秋葉区教育支援センター(電話:0250-25-5500)
10年後の小須戸地区へ
昨夏、中学生、保護者、地域、教職員を交えて熟議を行った小中合同学校運営会議。そこでは、「魅力的な小須戸地域の10年構想」を、「防災」「人が集まる」「あたたかい」「活性化」「子育て」「伝統継承」の6つの視点から考えることとしました。それを受けて、小須戸小学校ではさらに議論を重ね、小須戸の未来を担う小須戸っ子に何が必要なのか考えました。保護者や地域とともに、取り組みを進めています。
地域連携にかける思いと今後の展望
小須戸小学校校長 河野 健一さん
20年後、30年後、この地域で暮らしたいと思える地域にしたい。そのためには何が必要でしょうか。さまざまな施設や行事、行政サービスなど、「もの」や「こと」はもちろんですが、一番大切なのは「ひと」と「ひと」とのつながりです。そのつながりを深めるために必要なものは「笑顔」であると考えます。いずれさまざまな場所に旅立ち、成長していく子どもたちが、戻ってくる場所となるよう、子どもも、教職員も、保護者も、地域も笑顔になる学校づくりを目指しています。
小須戸の伝統を継承する 小須戸小学校
4年生は「発見!小須戸調査隊」として、見学や体験、調査活動を通して、小須戸の伝統や文化を学んでいます。昨年度、小須戸の伝統ある小須戸甚句や樽太鼓を全校児童に知ってもらうため、4年生は練習を重ね下級生に向けて披露しました。地域の先生から学んだ踊り方や叩き方を、参加した児童に教える4年生から、小須戸の伝統や文化が継承されていく姿を見ることができました。
学校ボランティア 五十嵐 千鶴子さん
小学校周りの草取りや野菜作りのお手伝いのほか、街探検の付き添いやミシン指導など、さまざまなボランティアに参加しています。4年生の総合学習では、地域の伝統を学ぶお手伝いとして小須戸甚句と樽太鼓を一緒に練習しました。子どもたちは熱心に取り組み、楽しく踊ってくれたので嬉しかったです。こちらが笑顔で接すると子どもたちの笑顔が返ってくるので、子どもたちに元気をもらいながら楽しく活動しています。
合同防災訓練 矢代田小学校
昨年度の合同防災訓練は、小学生と中学生合わせて280名が参加し、「災害体験学習」に取り組みました。地域の方の協力のもと、段ボールベッドや新聞紙スリッパを実際に作成したり、スナック菓子を使って非常食を調理したり、さまざまな体験をしました。教職員も災害時を想定した役割分担をして行動し、大人も子どもも防災意識を高める一日になりました。
山の手コミュニティ協議会防災防犯部
坂野 均さん 古泉 幸一さん
学校と地域が一緒に取り組んだ防災訓練で、子どもたちに体験活動の説明やサポートなどを行いました。子どもたちは積極的に取り組んでいて、体験を通して防災に関心を持ってもらえました。小中学生の縦割りの班行動の中で、上級生が小さい子たちの面倒を見ている姿は頼もしいと感じました。いざという時のために、顔が見える体制が整えられてよい取り組みとなりました。今後も地域として子どもたちと関わり、成長を支えていきたいです。
学校ボランティア 小須戸中学校
小須戸中学校では昨年度に「支え愛ボランティア」が発足しました。活動内容は、校地の草刈りや冬囲いなどの環境整備のほか、技術家庭科や音楽での授業支援、体育祭での写真撮影、熱中症対策である水噴霧など多岐に渡ります。登録者数は30人を超え、今後よりたくさんの方からボランティアに登録していただき、活動の輪を広げていきたいです。
学校ボランティア 大貫 正樹さん
ボランティアに参加してみて、近所に住む子どもたちと学校でも話すことができたり、街なかでも生徒が挨拶してくれたりするので、生徒たちとの交流が増えて嬉しいです。冬囲いの作業では、他のボランティアや用務員さんと話しながら作業することができ、楽しく進めることができました。今後多くの人が参加できるように、ボランティア同士がもっと交流できる場や時間があるといいなと思います。
みんなで作る 山の手ふれあいまつり
盛大な花火が彩る山の手ふれあいまつりは、山の手地域の住民同士の絆を強め、有事に備える目的で始まりました。矢代田小学校の6年生が企画に関わり、まつりの目的、地域の人の思いを考えつつ、自分たちがやりたいことを実現させる良質な学びの場となっています。昨年度の5、6年生は、もち麦の魅力を広く発信するため、地元のお店と商品開発を行い、もち麦を入れたドーナツとパンを山の手ふれあいまつりで販売しました。宣伝、販売も児童が行い、大変賑わっていました。
小須戸中学校の生徒も、昨年度から、会場の設営など準備段階から関わっています。また、小須戸地区のまちせんマルシェや夏祭りにも生徒がボランティアとして参加しています。今後も継続して小須戸地区全体の活性化を地域の皆さんと共に携わっていきたいです。
小須戸中学校2年 菊池 瑛斗さん
地域の役に立ちたいと思い、山の手ふれあいまつりのボランティアに参加しました。手伝ったことは、イスやテーブルの運搬やテントの設営です。ボランティアをしてみて、祭りの準備は大変だったけれど、やりがいのある仕事だと思いました。これからもボランティア活動に積極的に参加して、山の手地区の役に立てるよう頑張りたいです。