第419号(令和6年9月15日) 1ページ
最終更新日:2024年9月15日
国史跡 新津油田金津鉱場跡
ここ秋葉区には、かつて日本一の産油量を誇った新津油田があり「石油の里」として知られています。新津油田は平成8年に石油採掘を終えました。
石油の里公園には、当時石油採掘に使用されていた油井(ゆせい)のやぐらやポンピングパワーが残り、石油採掘で栄えた時代の面影を見ることができます。これらの施設は平成30年に「新津油田金津鉱場跡」として国史跡の指定を受けました。
今回はその見どころなどを、石油の世界館友の会の皆さんにお聞きしましたので紹介します。
上の地図は、国指定史跡「新津油田金津鉱場跡」案内リーフレットに掲載。石油の世界館、里山ビジターセンター、秋葉区役所などで配布しています。
ポンピングパワー
1つのモーターから生まれた動力を複数の石油井戸に伝えるための施設です。動力は6つの継転機を使い、それぞれの石油井戸に伝えられました。
里山ビジターセンターからポンピングパワーまで0.5キロメートル(約15分)
モーター
ポンピングパワー
このポンピングパワーの動力は小さなモーター1つ。モーターの回転運動をベルトをつなげて大きな平ベルト車を回転し、偏心輪の働きで水平往復運動に変えて、引張線で石油井戸へ伝えます。20以上ある石油井戸のポンプを動かす力はこのポンピングパワーたった1つ!
C3号井(ごうせい)綱式機械掘(つなしききかいぼ)り石油井戸
独立した動力を持ち、金津鉱場では現在残っている最も古い綱式機械掘りによる石油井戸です。平成8年まで原油をくみ上げていました。
石油の世界館
石油の歴史や採掘の技術などを模型やパネルを使って分かりやすく展示しています。ジオラマでは当時の金津鉱場の様子を見ることができます。
5号継転機(けいてんき)
継転機は、ポンピングパワーにつながる1本の引張線(ひっぱりせん)(ワイヤー)を幾つかに分け、異なった方向の石油井戸へ動力を伝える装置です。
ポンピングパワーから
別方向へ動力を伝える
C38号井 綱式機械掘り石油井戸
ポンピングパワーから5号継転機を経る引張線によって動力が伝えられました。ここでは、ポンピングパワーから伝わる往復運動が原油をくみ上げるポンプの上下運動につなげる仕組みを確認する体験ができます。
砂に石油が含まれる地層
C38号井
油井の名前に付いている「C」は「綱式機械掘り」、「K」は「上総掘(かずさぼ)り」を表します。
数字は掘られた順番です。
新津油田金津鉱場跡
水切りタンク
加熱炉
休憩所(暖室)
かつての金津鉱場
C7号井
注意
山中には古い石油井戸が点在しています。
転落の恐れがあるため、遊歩道・登山道以外は立ち入らないでください!
石油の世界館友の会
平成17年(2005年)に発足し、新津油田の歴史や魅力を多くの方々に知ってもらえるよう、地学ハイキングや子ども自然教室の開催、地層観察や石油産業遺産のガイドなどを行っています。区内にこんな貴重な施設があることを皆さんに知ってもらいたいです。団体向けに、石油の世界館や石油産業遺産などの案内を行っていますので、興味がある方はご連絡ください!
問い合わせ 0250-22-1400(石油の世界館)