食品表示法における栄養成分表示について
最終更新日:2024年11月1日
一般用加工食品、添加物への栄養成分表示について
食品の表示について定めた法律「食品表示法」が平成27年4月1日に施行され、原則として容器包装に入れられた消費者向けの加工食品及び添加物への栄養成分表示が義務化されました。
食品表示法における栄養成分表示の概要
栄養成分表示とは食品にどのような栄養素がどのくらい含まれているのかをわかるようにしたものです。
表示の方法は食品表示基準等で決められており、ルールを守って作成する必要があります。
事前に確認すべき資料
表示の方法については、消費者庁ホームページで食品表示基準・通知・各種参考資料が公表されています。
栄養成分表示を作成する前に、消費者庁で公表されている資料を必ず確認してください。
※問い合わせの多い、栄養成分表示を省略できる場合の規定についても説明がありますので確認してください。
事業者向け参考資料
事業者の方向けのガイドラインも公表されています。(上記消費者庁ホームページからもダウンロード可能)
<事業者向け>食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン 第4版(令和4年5月)(外部サイト)
表示のしかた
栄養成分表示は、容器包装を開かなくても容易に見ることができる場所に表示します。
下の例は必ず表示が必要な5項目の表示について、食品表示基準別記様式2を基に示したものです。
これ以外に食品表示基準別表第9で定められた栄養成分(食物繊維や各種脂肪酸等)をパッケージに表示する場合は、その項目も栄養成分表示に追加する必要があります。その際は食品表示基準別記様式3を参照してください。
また、食品表示基準別表第9に定められていない栄養素を表示したい場合は、枠外に出すなどして区別して表示します。
表示する値の種類
栄養成分表示は一定の値又は下限値及び上限値で表示し、一定の値には許容差の範囲にある一定の値と合理的推定により得られた一定の値があります。
一定の値による表示
許容差の範囲にある一定の値
栄養成分の含有量を許容差の範囲にある一定の値で表示する場合、食品の賞味(消費)期限内において、食品表示基準別表第9第3欄の方法で求めた値が、食品に表示した値を基準として許容差の範囲内である必要があります。
許容差の範囲は食品表示基準別表第9第4欄で栄養素ごとに示されており、熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(食塩相当量として表示)の許容差の範囲は±20%です。
ただし、含有量が極めて少ない製品の場合、ほんのわずかな成分の変動であっても前述の範囲から外れてしまうことになるため、低含有食品の場合の許容差の範囲も同じく食品表示基準別表第9第4欄で定められています。
合理的な推定により得られた一定の値
同じレシピで作った食品であっても、表示値どおりの栄養成分含有量となるように製品を管理することが困難な場合、以下の方法に従い、合理的な推定により得られた一定の値として表示をすることができます。この場合、許容差の範囲は適用されません。
合理的な方法により得られた一定の値として表示する場合
- 「推定値」もしくは「この表示値は、目安です。」のいずれかを含む文言を栄養成分表示の近接した場所に表示する。
- 行政機関等の求めに応じて表示値の根拠を説明できる資料を保管する。
1の文言を記載するだけではなく、表示値が合理的な推定により得られた値であることがわかる根拠資料を保管し、説明できることが必要です。
根拠資料の具体的な内容については食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドラインを参照してください。
ただし、以下の場合、合理的な推定により得られた一定の値を表示することはできません
- 栄養成分の補給ができる旨の表示、栄養成分又は熱量の適切な摂取ができる旨の表示をする場合※(〇〇含有、▲▲ひかえめ、◇◇30%カット等) ただし、生鮮食品の場合は強調する栄養成分以外の栄養成分は合理的な推定により得られた一定の値の表示が可能
- 糖類を添加していない旨の表示またはナトリウム塩を添加していない旨の表示をする場合※(砂糖不使用、食塩無添加等)
- 栄養機能食品
- 特定保健用食品
- 機能性表示食品(ただし、生鮮食品を除く)
※1・2については以下栄養強調表示と表記。栄養強調表示については事業者向けガイドライン等で詳細を確認してください。
下限値及び上限値による表示
食品表示基準別表第9第3欄に掲げる方法で得られた値が、表示された下限値及び上限値の範囲内になければいけません。
なお、下限と上限の間を過度に広い幅で表示することは適当ではないため、根拠を持って適切に設定してください。
表示する値の求めかた
栄養成分表示の表示値を得る方法としては以下の方法があげられます。
種類 | 概要 | 留意事項 |
---|---|---|
分析により表示値を求める場合 | 食品表示基準別表第9第3欄に掲げる方法で得られた値 | ・分析に使う試料は製品原料の個体間差、季節間差、生産地間差、生産者間差等の変動要因を把握・考慮し、そのばらつき等の性質をあらかじめ踏まえた適切なロット数の製品を選択することが望ましい。 |
分析以外の方法により表示値を求める場合 | データベース等の値を用いる方法 | 参照可能な食品がデータベース等にない場合、またデータベースに収載値の根拠がなく、適切な方法により作成されているか不明な場合、使用する原材料や配合、製造方法に類似性がある場合は他の方法を検討する必要がある。 |
データベース等から得られた個々の原材料の値から計算して表示値を求める方法(レシピ計算) |
・使用する全ての原材料について信頼できる栄養成分含有量のデータがない場合は他の方法を検討する必要がある。 |
この他、上記を組み合わせて栄養成分の表示値を求めることも可能です。
表示する食品の特徴によっては希望する方法が選択できないこともあります。
事業者向けガイドラインにより詳しい説明がされていますので、必ず確認のうえ、最も適した方法を選択してください。
<事業者向け>食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン 第4版(令和4年5月)(外部サイト)
また、栄養機能食品、栄養強調表示がされた食品は、通知「食品表示基準について」の別添「栄養成分等の分析方法等」で規定された分析法で測定する必要があります。
通知・別添共に以下の消費者庁ホームページより確認できます。
分析以外の方法により求めた値を使用する場合の注意点と参考資料
栄養機能食品、栄養強調表示がされた食品の他、以下の場合もレシピ計算が事実上できないため、別の方法で表示する値を求める必要があります。
- 使用する原材料の栄養価が公的なデータベースに掲載されておらず、原料メーカー等からも計算に必要な栄養価の情報をもらうことができない。
- 調理による栄養価の変動(重量の変化や栄養成分の流出等による増減)を計算に反映することができない。
上記に該当せず、計算値を使用する場合のレシピ計算のおおまかな流れを以下の資料で示しますので参考にしてください。
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