市長説明

最終更新日:2013年12月25日

 新潟大合併をして来年度で10年目となる。合併建設計画などは10年で終了するので、今年度から来年度は、まさに大合併を仕上げる重要な時期だと思っている。そういう中で、今年どのような方向を目指しているのかということをご説明させていただく。
 「創造的な都市」、クリエイティブシティと言うそうだが、ヨーロッパなどでは、「創造的(クリエイティブ)」という言葉と、「持続可能」、「環境」、この3つがまちづくりの三点セットになっているようである。創造的な都市とは何か。これはいろいろな定義の仕方があると思うが、基本的には、縦割りにとらわれず総合的に考えていくことだと思っている。どうしても行政は縦割りで考えていくわけであるが、暮らしは総合的にできているので、それに対応する総合性というのが一番重要だと思っている。
 また、創造都市というのは、学習し続ける、学び続ける都市だというような定義もある。本市は、生涯学習も頭に入れて創造的なまちづくりを進めていこうということでタイトルに出させていただいた。
 そして、独りよがりにならず、さまざまな外部評価などをきっちり入れてまちづくりを考えるということを、「創造的な都市」というふうに本市では位置付けている。
 最初は今年度のトピックスである。
 マリンピア日本海が7月15日にリニューアルオープンし、大変好調である。特にお盆のころは1日1万人を超え、周辺の方には渋滞で迷惑をお掛けした。新潟まつりについても、3日間連続で花火を打ち上げる新機軸を実施して、昨年を15万人近く上回る過去最高の95万人の参加者数であった。こういう形で交流人口を増やしながら、定住人口についても横ばいから増加を目指して頑張りたい。
 今年度、来年度で本市が取り組んでいくことを「新潟の明日を拓く10大プロジェクト」としてまとめている。
 これからは分野別で説明する。
 「安心安全なまちづくり」について。
 震災・津波対策では、津波避難ビルを拡充している。ただ、県の津波想定がまだ公表されていないという状況が続いている。これについては市としては大体の見当がついているので、津波想定が出たらすぐに対応したい。学校施設の耐震化、校舎、体育館は、平成27年度には耐震化完了予定である。
 防災対策は、いざというとき、Jアラートを一斉に情報発信して、多彩なメディア、多彩な方法で防災情報を提供する機能強化を進めている。これについて、まちなかあるいは大きな川沿いのところなど、地域、地域で考えていく必要があると思っている。
 豪雨対策である。2年前の新潟・福島豪雨では、あと半日降り続いていたら阿賀野川も信濃川も溢水したと想定されるほど厳しい状況であった。現在、国のほうで阿賀野川、信濃川の流下能力をさらに上げるという形で対応していただいている。また、上流のほうも田んぼダムという形で、下流にどんどん負荷が掛からないように対応していただいている。本市も江南区などでモデル地区をつくり、さらに整備を進めるということで安全度を上げていく。
 除雪対策についても、コミュニティ除雪を拡大する。除雪は地域によって降雪量が大きく違うので、地域特性に応じて除雪対策を整備する。歩道除雪なども機械購入補助制度を新設しているので利用してほしい。
 そして、地域の特性に基づく防災教育・訓練についてである。今年は南区の茨曽根小学校で、子どもたちが災害の状況に合わせて、どういうふうに避難すれば良いのか、マニュアルだけでなく自分たちで判断する、自分たちで危険を回避する、新しい防災学習・訓練をトライアル事業で実施しており、結果を検証して来年度は全市で展開を検討していく。
 暮らしやすい都市の分野である。
 これまで、介護サービスは施設介護の充実に取り組んできた。特別養護老人ホームなどを4年間に1,000床程度前倒しで整備することで進めている。今後は、在宅医療・介護の充実という方向を国が打ち出しているが、本市も施設だけに偏ると介護保険料が非常に高くなるので、在宅医療・介護を充実させていく必要があり、地域包括支援センターを強化している。機能強化職員を配置し、介護予防対象者の訪問による実態把握や地域における見守り支援を行うネットワーク構築など目的限定で業務を行っていただいている。また、在宅医療・介護の連携モデル事業を実施する。例えば、複合型のサービス事業所にサービス付きの高齢者向け住宅を一体的に整備することにより、医療と介護、住まいが地域で一体化する。ここまで形がしっかり整わなくても、空き家を利用するなど、いろいろなタイプを整備し地域で包括ケアを受けられるようなシステムを本格化させる。
 障がい者施設・雇用の充実である。障がい者就業支援センター「こあサポート」が10月1日にオープンした。官民連携による就労支援もボランティア団体を含めて協定を締結した。また、アイエスエフネットという、本来はインターネットの会社であるが、現在、全国で一番精神障がい者雇用の実績を上げている会社が、8月に新潟にアイエスフエフネットライフ新潟という拠点をつくった。障がい者100名の雇用創出を目指して取り組んでいただいている。11月29日に、西堀ローサに「匠カフェ」、お弁当センターをオープンする準備を進めている。注文取りも精神障がいあるいは身体障がい者の方が行うことができるシステムをアイエスエフが開発したということで、目立つところで障がい者が働いている。そのような行動により障がい者への理解を深めていただきたい。
 DV対策・児童虐待対策、DV、児童虐待の相談が絶えない非常に深刻な状況なのでDV相談の窓口である配偶者支援センターを設置し、相談員を増員した。また、女性相談員も増員する。
 一方、政令市になって、児童相談所を本市が設置することとなった。これも開設して非常に相談件数が多い。また深刻な場合に乳児を保護する乳児院を整備し平成27年度に供用開始を予定している。これまで乳児院は、新潟県内では見附市に民間の施設が1つあるだけという大変心配な状況であった。新潟市が公で初めて乳児院を新潟県で設置する。
 ひとり親支援もしっかり取組んでいる。未婚のひとり親家庭に控除を受けたとみなして13制度で運用開始し、保育料、ひまわりクラブ利用料など減免していく。
 健幸スマイル住まいリフォーム支援事業は当初3億円の予算だったが、希望が多く、1億円補正をした。高齢者あるいは子どもたちが安心して住める住環境を創出しようと、バリアフリーリフォームなどに補助するものである。
拠点都市の分野である。
 2年半前の3.11大震災では、新潟が被災地域に対して日本で最大の救援センターとして機能した。このことで、日本海軸が重要だということがようやく認められた。横断軸も大事だと思っている。そういう中で、本市は、まず足元の安全を固めるために、仙台市に続いて横浜市水道局とも燃料供給に関する覚書を締結した。また、国家戦略特区に本市として「ニューフードバレー特区」、「環日本海ゲートウェー特区」、「簇業特区」の3つの分野で提案をしている。少なくともニューフードバレーは国の考え方と重なっている部分がある。
 エネルギーについては、新潟県が取りまとめ役で「エネルギー戦略特区」を提案しているが、これはむしろ国家戦略特区というよりは、国土強靱化のほうに向いているのではないかと思っていたので、国土強靱化に関する法案を見ながら、それぞれのカウンターパートに、しっかりと新潟のエネルギーについての役割を説明していく。
 まちなか再生・都心軸の明確化について、新潟駅の連続立体交差事業を推進しており、だいぶ形が見え始めた。万代広場はにぎわい空間創出に向けた部分整備を前倒しする。平成27年度の夏前に供用開始。鳥屋野潟南部エリアとも機能連携していく。
 まちなかの魅力発信・発掘ということで、潟にも焦点を当てていきたい。福島潟、鳥屋野潟、佐潟あるいは上堰潟をネットワークして新潟の魅力として総体的に発信しようと思う。潟学、潟エコミュージアムを視野に入れながら行っていきたい。
 地域の個性化も大変個性的な取り組みで進めていただいている。来年の4月から6月、JR各社が「新潟に行きましょうキャンペーン」、デスティネーションキャンペーンを実施するので、これを大きなチャンスと捉えてさまざまな地域の魅力を発掘する。
 創造都市づくりの部分である。
 食というと、ユネスコの無形文化遺産に日本食の登録がほぼ決まったという状況である。それと連携して、新潟市はユネスコ創造都市のネットワークへの登録を目指している。それも食文化は日本でまだ登録されてなく日本初の登録を目指す。米を中心とした食文化といえば新潟といって全国からクレームは来ないと思っている。年内に最終提案書を提出して、来年、是非良い結果を出したいと思う。
文化・スポーツイベント、会議を誘致しようということで、日本で初めてである文化・スポーツと一体化した文化・スポーツコミッションを設立した。
 次世代の産業育成である。本市は航空機部品産業の本格育成に取り組んでいる。現在、西蒲区で国内初の航空機エンジン部品共同工場が建設中である。当面50人程度の技術者を採用し、これが軌道に乗ればさらに数倍の雇用が見込める。来年の1月か2月にはこの工場が動き出す。現在、第2の共同工場を造りたいということで取り組んでいる。
 これと連動した「NIIGATA SKY PROJECT」、小型ジェットエンジンを開発し、さらに小型無人飛行機を開発しようということである。エンジンのほうは8割方開発が終了した。2・3年後には無人小型ジェットが例えば新潟と佐渡を行き来する。そうすると生鮮品が安いコストで運べるので、佐渡にとっても新潟にとっても効果はあると思う。最終段階では、新潟空港周辺に航空機産業のクラスター(集積)をつくりたい。

 田園文化都市の分野である。
 鳥屋野潟南部にオープンした「いくとぴあ食花」では、現在、食育・花育センター、動物ふれあいセンター、こども創造センター、この3つのセンターがオープンして延べ人数で来場者100万人を達成する。来年の6月には民活ゾーンである食と花の交流センターがオープンし、こだわりの食材を使ったレストランや直売所なども出来るので、食と花の一大ゾーンが完成しグランドオープンを迎えることになる。
 ニューフードバレーのほうでは、現在、南区にアグリパークが建設中であり、来年の6月にオープンする。こちらは宿泊型で農業体験ができる日本初の教育ファーム施設になる。その隣接地には農業活性化研究センターが本年6月にオープンした。アグリパークに設置される食品加工支援センターと連携して新潟を6次産業化の基地にしたいと考えている。新潟のさまざまな農産品加工物を商品化して販路拡大し、マーケティングも行う。売れる農産物にさらに付加価値を付けるというのが6次産業化だと思っている。
 来年度からアグリパークなどを利用し食育と農業体験を全ての小学生に味わってもらう。これも日本で初めての取り組みである。現在、教育委員会で、カリキュラム「アグリ・スタディ・プログラム」を多彩につくり上げている。農業体験、家畜などに触れて命と食を考える。さまざまな加工体験も行ってもらう。子どもたち、市民の皆さまに農業を通した学びを農家から提供してもらい、農業の大切さ、面白さ、大変さ、そういうものを子どもたち、市民の皆さまから感じていただいて、農業を応援しようという気持ちに多くの人がなってもらいたい。こういう良い循環にしていきたいと思っている。
 がんばる農家支援事業も大変多くの方から手を挙げていただいて支援が追いつかないような状況である。現在、国では大きな農政の転換、減反廃止ということが既成事実化したような状況である。来年度は基本的に従来型のがんばる農家支援を実施しようと思っているが、こういう状況をにらみながら、農政の変化に対応して、本市は、どうすればデメリットを少しでも減らし、農政改革のメリットを引き出せるかということで、国の政策に合わせてがんばる農家支援事業を変えていきたいと思っている。
 マンガ・アニメ、いわゆるサブカルチャーであるが、サブカルチャーといってもなかなかそのままにしておけない。現在、クールジャパンの大きな柱というふうな位置付けになってきている。「にいがたアニメ・マンガフェスティバル」、通称「がたふぇす」だが、昨年度と比べ現在、5万人を超えるところまで参加者が増えている。日常的に2つの施設を楽しんでいただいてるファンも多い。
 スポーツでは、アイスアリーナは、来年の2月にソチ冬季オリンピックに合わせる形でオープンする。アサヒアレックスからネーミングライツに応募いただき、「アサヒアレックスアイスアリーナ」という形になる。
 新潟は自転車も非常に向いているので、さまざまな形で自転車レースも盛んになっている。9月8日には、弥彦山をほとんど車並みのスピードで一気に駆け上がる新潟ヒルクライムが初めて開催され、270人参加いただいた。恐らく来年度は相当伸びるのではないかと思っている。
 創造的な都市づくりを進めるためにということである。
 「持続可能」がまちづくりのキーワードと話をしたが、新潟の公共交通、特にバス交通は大変厳しい状況が続いている。10年間でバス利用者が40%も減少。また、バスの運行便数が20%減少。多くの路線が減便になり、また廃止路線になっている。そのために本市が超低床バスや連節バスなどを購入して新潟交通に貸与するという形で、バス事業者だけではなかなか公共交通の維持が困難であり、採算が取れない路線の廃止・減便を、公設民営という形で、負の連鎖を何とか変えたいと思っている。新バスシステム運用を平成27年夏前にスタートできるようにしたい。また、これはスタートであり、段階的に構築するということで、バスは拡張性と柔軟性に優れているので大いに良い形に変化させていきたい。
 新バスシステムの説明会を行った。いろいろなご意見をいただいており、改善できるものは改善し、誤解の上で認識されているものは誤解を解くようにさらに説明していきたい。
 神奈川中央交通から借りた連節バスで1回目の試乗会を行い、京成バスから借りたバスで連節バスの2回目の試乗会を11月に実施した。2回目の試乗会では新潟交通の運転手が運転したが、連接バスには新潟交通のステッカーが張ってあり新潟ナンバーで走行した。
 アンケートでは、連接バスに対するイメージを聞く質問と連接バスがまちなかを走ることについてどう思うか聞く質問に対し、結果はいずれも良いイメージかふつうを合わせた割合が大半を占めた。
 来年度は、将来に向けた橋渡しという形で、区の財源・権限体制を強化したいと思っている。これまで特色ある区づくり予算に2,000万円一律ということで実施してきた。来年度は2,000万円プラスアルファにしていく。そのアルファは、人口要件と面積要件を入れさせていただく。人口が5万人以下というところからその3倍も人口がいるところまで、今まで2,000万円レベルであったので一律としてきたが、今後は少しばらつきを持たせていただく。来年度は大幅増額とは行かないかもしれないが、これから方向を明示していきたい。
 そして、行政区の権限を大きくしていくときに、行政区のリーダーである区長を公募することで意識改革を図りたい。北区、秋葉区、西区、西蒲区、4つの区で公募した。その結果、50人から手が挙がったので、それだけ区長というのは注目されている、また大きな役割を持っているということが50人という数に反映されていると思う。このことで現在の区長も、本当に重要なポストなのだという認識を深め、意識改革をほかの区長とともに行ってもらいたいし、そういうきっかけになって行くと思う。今後は書類選考と2回の面接で、1月上旬に候補者、区長予定者を決定させていただく。それから研修をしっかり受けてもらい、4月1日から全力疾走で職務を行えるように準備を整えたい。
 教育委員会は、いじめや自殺というときに、常に教育委員会が機能していないのではないかということを批判される状況が続いている。国では、中教審で現在、教育委員会の方向を議論し詰めに入っている。政令指定都市は教職員の人事権を持っているので、そういう土台の上に現在できることを前進させようと動いている。1つは、教育委員の数を6人から9人に増員させていただいて、平成26年度は橋渡しであるので、教育長を除く8人が、2つのグループに分かれて4区を担当する。次年度からは1人の委員が2区を担当するという形で、2人で1区、1人の委員が2区という形にして行きたい。そして区担当制を明確にし、合わせて中学校区単位で教育ミーティングを実施する。
 これまで、新潟市の学力、体力、子どもたちの心の状況について、新潟市として説明してきた。新潟市の学力は、新潟県平均をほとんどの分野で大きく上回るという成果が出ている。今後は、区の学力、体力、子どもたちの心の状況を、区自治協議会の教育部会と定期的に情報交換して、区の教育の課題、課題解決のあり方をしっかりと話し合っていく。
 これまで教育事務所を5つのところで設置してきたが、今後は地域教育連携室という名前にして、全ての区で教育の相談窓口を明確化する。
 区民との協働では、コミ協と懇談会を定期的に行うようにした。区長との意見交換をさらに平成26年度は前進させる。
 新潟市と新潟県が力を合わせる、あるいは役割を明確化するということで、新潟州構想では、6つのテーマで話し合いをしてきた。これまでの一番大きな成果は、全国で新潟だけだと思っているが、国の職業紹介、県の職業訓練、市の生活支援を一体化した窓口を東区役所に開設した。間もなく1年になるので成果をしっかりまとめて、こういう体制が全国に広がることを国に求めていきたい。保健所では感染症対策、食の安全・安心は広域対応が必要なので、本市の保健所だけがいくら取り組んでも限界がある。新潟県の保健所と情報を共有して、広域対応が必要なときに司令塔は知事ということにした。司令塔を明確化して一本化するということである。
 ほかの3つの分野、文化施設では、県民会館は市が一体的に管理する。県営住宅、市営住宅は段階的に市に移管する。消防のハイパーレスキューについては、県が市に連絡調整員を派遣して、情報ギャップをなくして県民全体にハイパーレスキューの恩恵が行くようにする。
 大体それぞれ方向性が出てきたので、新たなテーマとして万代島の港湾地区のにぎわいの創出と未就学児対策を加えた。これからは幼稚園、保育園、認定こども園などについても国の方針が変わっていくので、その情報を収集しながら、的確に未就学児に対応していこうというものである。
 以上で本年度の取り組みや次年度に向けての方向についての説明を終わりにさせていただく。

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