興福寺中金堂再建・法相柱柱絵完成記念 興福寺の寺宝と畠中光享展
最終更新日:2017年11月28日
国宝、重文を含む貴重な寺宝と、初公開の法相柱柱絵を展示
法相宗大本山興福寺は創建1300年を経た奈良の、名刹です。幾多の戦乱や火災に見舞われ、
堂塔の焼失、再建を繰り返しながらも、優れた仏教美術を育み護ってきました。
2018年秋、伽藍の中核である中金堂が約300年ぶりに再建されます。あわせて内陣の法相柱が復元され、
仏教に造詣が深い日本画家・畠中光享がその柱絵制作を担いました。
本展では、法相柱に貼り上げられる柱絵を奉納に先立ち特別公開いたします。
柱絵を間近で見ることができるのは、これが最初で最後の機会です。
あわせて、人々の信仰を集める興福寺の国宝、重文を含む寺宝を紹介するとともに、
仏陀の精神をたどる畠中光享作品も展示します。古から伝わる寺宝と、
新たな祈りの対象となる柱絵を通じて興福寺の文化と日本画の真髄に触れ、
優れた仏教美術の世界を心ゆくまでお楽しみください。
国宝《銅造観音菩薩立像(千手観音菩薩立像像内納入品の内)》
奈良時代 8世紀 興福寺蔵
チラシの提示で100円引き
- 本チラシで当日観覧料を100円引きにします。
- プリントアウトするか、ダウンロードして表示したスマホ等の画面を受付に提示してください。
- 5名様まで100円引きにします。
展覧会チラシ(A3サイズ二つ折り、中見開き4ページで配布)
会期 | 平成29年9月9日(土曜)~10月15日(日曜) |
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休館日 | 9月11日(月曜)、9月19日(火曜)、9月25日(月曜)、10月10日(火曜) |
開館時間 | 午前10時から午後5時まで(観覧券販売は午後4時30分まで) |
観覧料 | 当日券 |
前売券 | 前売券 |
主催 | 法相宗大本山興福寺、日本経済新聞社、BSジャパン、興福寺の寺宝と畠中光享展新潟展実行委員会、新潟市新津美術館、新潟日報社、N S T |
後援 |
新潟県仏教会、新潟市仏教会、新潟親鸞学会、 |
特別協賛 | DMG森精機、南都銀行 |
協賛 | トーア株式会社 |
あいてマンデ~! |
月曜でも開館します。10月2日(月曜)は「あいてマンデ~!」で開館します。 |
こどもタイム |
会場に音楽が流れます。親子で会話を楽しみながらご鑑賞ください。 |
託児サービス(無料) | 対象:生後6ヶ月から就学前のお子様 |
関連イベント
畠中光享氏によるギャラリートーク (事前申し込み不要)
畠中光享氏 (撮影 秋山庄太郎)
講師 畠中光享氏(日本画家)
日時 9月9日(土曜)午後2時~、10月14日(土曜)午後3時~
会場 新津美術館展示室
参加費 無料(ただし展覧会の観覧券が必要です)
※事前申し込みは必要ありません。
※託児あり(各日1週間前までに事前申込みが必要です。新津美術館まで電話:0250-25-1300でお申込みください)
講演会「日本画ってなに?~興福寺法相柱柱絵を描いて~」&サイン会 (要事前申し込み)
講師 畠中光享氏(日本画家)
日時 9月10日(日曜) 講演会:午後2時~午後3時30分予定、サイン会:午後3時45分~
会場 新津美術館市民ギャラリー
定員 80名(事前申込みが必要です。申込み方法は下記をご覧ください)
参加費 無料(ただし展覧会の観覧券が必要です)
※託児あり(1週間前までに事前申込みが必要です。新津美術館まで電話:0250-25-1300でお申込みください)
※サイン会は、公式図録のご購入が必要です。
講演会「興福寺のあゆみと教え」 (要事前申し込み)
多川俊映師
講師 多川俊映師(興福寺貫首)
日時 9月24日(日曜)午後2時~午後3時30分予定
会場 新津美術館市民ギャラリー
定員 80名(事前申込みが必要です。申込み方法は下記をご覧ください)
参加費 無料(ただし展覧会の観覧券が必要です)
※託児あり(1週間前までに事前申込みが必要です。新津美術館まで電話:0250-25-1300でお申込みください)
美術講座「興福寺の寺宝と畠中光享展」 (要事前申し込み)
講師 横山秀樹(新潟市新津美術館長)
日時 10月1日(日曜)午後2時~午後3時30分予定
会場 新津美術館レクチャールーム
定員 60名(事前申込みが必要です。申込み方法は下記をご覧ください)
参加費 無料(ただし展覧会の観覧券が必要です)
※託児あり(各回1週間前までに事前申込みが必要です。新津美術館まで電話:0250-25-1300でお申込みください)
興福寺僧侶のみなさまによる講話 (事前申し込み不要)
興福寺のことをわかりやすくお話しいただきます。
日時 9月16日(土曜)・17日(日曜)・18日(月曜・祝)、10月13日(金曜)・14日(土曜)・15日(日曜)
時間 各日午前11時~/午後2時~(約20分を予定)
会場 新津美術館展示室
参加費 無料(ただし展覧会の観覧券が必要です)
※事前申し込みは必要ありません。
※託児あり(各日1週間前までに事前申込みが必要です。新津美術館まで電話:0250-25-1300でお申込みください)
ワークショップ「散華を描く」 (要事前申し込み)
講師 畠中光享氏(日本画家)
日時 10月15日(日曜)午前9時30分~12時30分
会場 新津美術館市民ギャラリー
定員 30名(事前申込みが必要です。申込み方法は下記をご覧ください)
参加費 無料(ただし展覧会の観覧券が必要です)
※託児あり(1週間前までに事前申込みが必要です。新津美術館まで電話:0250-25-1300でお申込みください)
イベント申込み方法(先着順)
電話:025-243-4894
新潟市役所コールセンターにお電話ください。
年中無休(土日、祝日を含む) 午前8時~午後9時
※申込み期間 8月22日(火曜)~定員になり次第終了
※参加したい事業名と実施日時をお確かめの上お電話ください。
展覧会の見どころ
その1
興福寺中金堂法相柱柱絵 祖師画14点(畠中光享画 2016年)
法相柱とは、興福寺の伽藍の中心である中金堂の内陣柱のひとつで、法相祖師の絵が描かた信仰の対象でもあった柱でした。この度、1300年の時を経て当時の姿に再興されるこの中金堂に、畠中光享画伯の法相祖師画で法相柱も新たによみがえります。これから新しい歴史を刻む中金堂とこの柱絵は、1000年、2000年と、受け継がれてゆくことでしょう。畠中画伯の美しい色彩と線によってよみがえった祖師像は、展覧会終了後は、10mほどもある柱に貼り上げられ、間近に見ることはできなくなります。幸いにして再興されるこの時代に生きる私たちだけが、近くでじっくりと見ることができるのです。そのため、当館では、ケースに入れずに展示しております。この機会に是非、その色彩や線の美しさを味わい、法相宗の唯識という教えを確立し、学問として体系づけ、伝え、広める中心となったインド、中国、日本の祖師と呼ばれる僧たちの個性的な風貌をお楽しみ下さい。
その2
かつての寺院は現代の大学と同じで仏教という新たな教えを学ぶところでした。興福寺は法相宗を教学とし、多くの人々が学びにやってきました。現在も有名な様々な宗派の僧たちもここで多く学んでいます。この燈籠は、もともと南円堂の前に立っていたものです。弘仁7年(816年)と銘が鋳出されています。この国宝 燈籠火袋羽目の銘は空海の作、文字を書いたのは橘逸勢と伝えられています。書を学ぶ方にも一見の価値があると思います。是非ご覧ください。もうひとつお薦めは、法華経二十八品を写した日本最古のもの、重文 細字法華経です。奈良時代 天平16年(744年)に書かれたものです。歴史的な価値もさることながら、細かい文字ですが美しく整然と並ぶ様は、見ていて気持ちの良い1点です。
南円堂伝来の燈籠(写真)と燈籠火袋羽目の展示
国宝 燈籠火袋羽目 銅造 【平安時代】 弘仁7(816)年
重文 細字法華経 巻子装 【奈良時代】 天平16(744)年
その3
国宝 千手観音菩薩立像 像内納入品を4点展示しています。その背後に、5mを超えるほぼ実物大の千手観音菩薩立像の写真を展示しています。さすがに実物は大きいため動かすことができませんので、興福寺へ行ってお参りしていただきたいと思います。鎌倉再興の食堂の本尊と伝えられ、寛喜元年(1229年)頃の丈六仏で、作者は不明ですが、慶派の仏師の手によるものと考えられています。興福寺では、この大きな仏様は現在食堂跡に建てられている国宝館で見ることができますが、像内納入品と一緒にこのように見ることは普段はできません。新津美術館で今だけご覧いただくことができるものですので、是非お見逃しなく。
国宝 千手観音菩薩立像実物大写真と像内納入品展示風景
(左・右)銅造千手観音菩薩立像【鎌倉時代】・【平安時代】 (中)梵字千手観音菩薩小呪鏡【鎌倉時代】
銅造観音菩薩立像【奈良時代】
その4
重文 厨子入吉祥天倚像は、この度、興福寺の許しを得て、御厨子から出した形で展示させていただいております。彫刻は南北朝時代の奈良の木所大仏師寛慶によるもので、彩色と厨子の絵は絵所大仏師命尊によるものです。装飾品と彩色が驚くほど美しく残っています。御厨子から出たお姿はなかなか見ることができないものです。特に、厨子の奥板に描かれた絵と吉祥天様のお背中は、御厨子内に納められている時は見ることができないものです。命尊は奈良の法華寺や、兵庫の妙法寺の涅槃図の作者としても有名です。厨子の扉には向かって右に梵天、左に帝釈天を描き、奥板には、七宝山から雲に乗って下ってくる六本の牙を持つ白象が描かれています。象は宝瓶からあらゆる願いをかなえるという宝珠を撒いています。よく見ると遠方に白波が見え、手前の山には桜も咲いています。
吉祥天の背面は、前面では装飾で見えにくい服装の自然なひだや腰の辺りの柔らかな表現に、秀逸な技が見てとれます。
吉祥天倚像厨子 命尊筆 【南北朝時代】1340年
吉祥天倚像 寛慶作・命尊筆 【南北朝時代】1340年
吉祥天倚像厨子 奥板
その5
春日社寺曼荼羅図は、かつて神仏習合の関係にあった春日社と興福寺の関係やかつての伽藍配置がよく分かる資料的な価値もあります。一方で、色彩も美しく残り、建物や、描き込まれた樹木などは丁寧に樹種が分かるくらいに細かく描き込まれていて、美術的にも貴重なものです。良く見ると御蓋山に雲に乗って顕現する本地仏らが描かれています。さらに目をこらしてよく見ると、春日社の主神である武甕槌命が常陸の国、鹿島から白い鹿に乗って現れたという言い伝えにより崇め大切にされてきた鹿が、所々に描かれています。
春日社寺曼荼羅図 【室町時代】絹本着色
春日社寺曼荼羅図(部分)
春日社寺曼荼羅図(部分)
その6
大職冠画像 絹本着色 【江戸時代】
大織冠画像では、中央に大きく、藤原鎌足を、左下には小さく藤原不比等、その右には不比等の兄弟定恵を描き、三尊形式が取られています。鎌足は興福寺の起源であった山階寺を天智8(699)年に建立しました。そして、平城京遷都により一番最初に造られた寺院である興福寺を和銅3(710)年に建立したのが不比等です。大織冠とは天智天皇が鎌足に授けた最高職位のことです。束帯姿の鎌足と息子不比等がほぼ大きさだけの違いで描き分けられています。
その7
奈良県指定文化財 法相曼荼羅図 絹本着色【室町時代】
法相曼荼羅図は、お釈迦様の教えを唯識で解釈した始祖とされる弥勒菩薩を中心に、右上から無著、世親・・・という、インドから中国そして日本の法相宗の祖師像を描いたものです。伝統的にそれまで伝えられた祖師像を模して描いているため、祖師像の向きも一定に描かれていません。これらの伝来した祖師像を参考に、彫刻や、絵画でその後の時代に祖師像が制作されています。今回の畠中光享氏による祖師像も、この法相曼荼羅をはじめ、伝来する祖師像を研究して描かれています。是非、見比べてみてください。
その8
地蔵菩薩立像 【鎌倉時代】13世紀
この地蔵菩薩立像の台座は雲に乗った蓮、雲乗蓮華座で春日山からの来迎が表現された姿です。藤原氏の氏寺であった興福寺と、藤原氏が進行する武甕槌命などの神を祀る春日社は奈良時代から深い関係にありました。
この地蔵菩薩立像が造られた鎌倉時代には本地垂迹思想が流行し、春日の神を仏の姿で表現するようになりました。三宮の天児屋根命の本地は地蔵菩薩とされ、元は春日社論講屋に伝来したということです。
その9
興福寺は現存する建物自体も国宝や重文に指定されています。展覧会では、さすがに建物を持ち込むことはできないので、大きな写真で紹介しています。東金堂と、北円堂のついては、内部の写真も壁面に大きく引き伸ばしていますので、興福寺を会場全体で感じていただくことができます。また、一般には公開されていない現在建立中の中金堂も一部ご覧いただくことができます。大きさと美しさを想像して下さい。そして、是非近くに展示している発掘された瓦と建立中の瓦を比較してみてください。
国宝 三重塔[写真 奈良市観光協会](奥)と東金堂内[写真 飛鳥園](右手前)
国宝 北円堂の外観(奥)と北円堂内[写真 飛鳥園](右手前)
再建中の中金堂
その10
興福寺さんの特別な計らいにより、興福寺コーナーの最後に阿修羅像を含む八部衆の写真パネルを展示させていただきました。ここは、何と!写真撮影OKとなっています。お友達と一緒に八部衆や阿修羅のポーズを作って撮影してみてはいかがでしょうか?
この八部衆像は奈良時代734年に建立された西金堂の須弥壇に安置されていましたが、西金堂が失われている現在は、国宝館に展示されています。奈良時代を伝える貴重な彫刻のひとつです。インド神話の神が、インドで仏教が盛んになり仏教に守護神として取り入れられました。
八部衆のポーズをとって記念撮影
阿修羅を真似てポーズ?
その11
供養について 畠中光享画 2010年 当館所蔵
供養とは、もともとは食べ物を寄進することで功徳を積むことです。この《供養について》は、花やバナナや木の実など様々な供物を僧に寄進する姿を描いています。右に僧、左には女性たちが並んでいます。良く見ると、背景の色を僧たちと、女性たちとで違えています。畠中光享氏の作品は総じて岩絵具の美しさが際立っていて、凛とした画家のたたずまいが一貫して迷いのない美しい線で表現されています。
その12
風立 畠中光享画 2011年
時に激しく、時に優しく吹く風を表現した作品です。ニ曲一隻の屏風に背景は全面金地、そこに女性が立っています。 《風立》は、大きくたなびく髪と服、周囲に小さく描かれた花びらで“風”を表現しています。少し強いけれど気持ちの良い春一番をイメージさせる作品です。周囲に舞う花びらは、散華を思わせ、背景の金地とともに自然の崇高さを感じさせます。
こども用ワークシート
興福寺の寺宝と畠中光享展こども用ワークシートに親子で挑戦してみませんか?
興福寺の寺宝と畠中光享展ワークシート
興福寺の寺宝と畠中光享展では、新津美術館オリジナルの子ども向けワークシートをご用意しております。お子さんと一緒にワークシートに挑戦しながら、展覧会をお楽しみください。
コラボレーション企画
カフェCOROの期間限定メニュー《畠中光享コレクションの茶碗で楽しむお抹茶》
畠中光享コレクションの茶碗で楽しむお抹茶
この展覧会だけの特別なメニューが2階カフェに登場しました。
畠中光享画伯の茶碗のコレクションでお抹茶を提供するというものです。
お茶碗は5客
美濃・黄瀬戸(江戸時代)/朝鮮・金海猫掻手茶碗 (15~16世紀)/鶏龍山(李朝)刷毛目茶碗 沓形(15~16世紀)〈写真〉
/古萩茶碗 輪形 朝鮮うつし(江戸中期)/李朝・堅手茶碗 (15世紀頃)
展覧会を見終えた余韻に浸りながら、茶碗を愛でて、美味しいお抹茶はいかがですか?セットで600円です。
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