まちづくりの基本方針
最終更新日:2012年6月1日
1 新しいまちづくり
(1)政令指定都市を目指して
新市は、合併後早期に政令指定都市への移行を実現させ、さらなる住民福祉の向上を図りたいと考えます。
政令指定都市には一定の範囲ごとに区が設定され、区役所が設置されます。区役所は単なる窓口事務の処理や本庁の出先機関としてのものでなく、市民の行政に対する要望に可能な限り総合的、完結的に対処できるとともに、市政と市民とをつなぐパイプとしての役割と区域における企画調整機能をあわせ持つものであると考えます。
また、区役所には新市全体の調和を図りつつ、市民に身近な行政サービスはもちろんのこと、できるだけ多くの権限を移譲するとともに、住民自治の一層の充実を図り、地域で育んできた数々の優れた伝統や個性ある地域文化を一層発展させ、各地域の多様な個性と活力が活かされたまちづくりが進められ、一つの市として大きな魅力を発揮できる分権型の政令指定都市を目指します。
(2)新市の基本理念
新市は、優れた都市機能と豊かな自然環境との調和・共存を図り、学術や研究開発の充実、空港・港湾などの都市基盤の一層の強化などにより、活力にあふれた産業の集積と国内外との多様な交流を実現し、日本海側の中枢拠点都市・環日本海圏の国際交流拠点都市としての発展を目指すとともに、全国有数の農業基盤を活かし、先進的な取り組みにより農業をはじめとした関連産業の活力ある発展を図ることで「田園型政令指定都市」の実現を目指します。
そして、目指すべき姿としての基本理念は、
「世界にはばたく交流拠点の実現」
「高次都市機能と豊かな自然環境との調和・共存」
とします。
(3)まちづくりの方向
2つの基本理念を実現するために、以下の5つの施策の方向を設定します。
○5つの施策の方向
- 『活力ある産業が展開するまち』
- 『多様な交流ができるまち』
- 『自然と共生できるまち』
- 『ゆとりと潤いのあるまち』
- 『一人ひとりの思いを受けとめるまち』
(1)「活力ある産業が展開するまち」
新市には商圏人口150万を支える商業集積や、流通センターなどの物流団地があり、新潟東港・白根北部・東新潟など多くの工業団地が立地するとともに、伝統ある地場工芸産品の生産も脈々と息づいています。また、米どころ新潟を代表する水田や果樹・花き園などの広大な農地が広がるなど農・工・商の各産業が立地しています。
その上、新市には、海・空・陸の玄関口としてそれぞれ新潟港、新潟空港、新潟駅があり、高速交通網としての北陸自動車道、関越自動車道、磐越自動車道、日本海東北自動車道及び上越新幹線により、諸外国並びに日本各地と結ばれるという絶好の環境が整っています。今後は、この好環境を十分に活用することで、地場産業を振興し、福祉・医療・環境ビジネスなどの新たな産業を育成するとともに、さらなる雇用を促進し、国際的な競争力を持った都市の形成を目指します。
まず、新潟港を積極的に活用していきます。新潟東港においては、国のFAZ(輸入促進地域)計画に沿った整備が進み、輸入貨物取扱量も順調に伸びています。今後は、環日本海圏のみならず北米航路などの新規航路の誘致や、新潟国際物流センター(仮称)の整備、物流・貿易企業のさらなる誘致を図るなど、より広範囲に新市の持つ能力を活かした物流展開を図っていくことで、輸出入貨物の充実を図り、より多くの企業集積を生み出し、雇用の創出を図っていくことが可能となります。
新潟空港においても、輸入貨物に加え、輸出貨物の増便を図っていくために、高速道路や新幹線などの高速交通網を活かした空港へのアクセス向上を図っていきます。
また、高速交通体系を活かし、物流や工業拠点を充実していきます。都心部を中心に放射状に伸びる高速自動車道や各地域を貫く放射状の幹線道路を大外環状道路・外郭環状道路などの環状型の道路でネットワークすることで、道路網に隣接する既存の流通団地や工業団地の連携を図り、全国的な展開を見据えた物流・工業生産機能の充実を目指します。
さらに、国際会議や国際見本市などの開催が可能で、国際交流の拠点地域として大きく発展していくための中核的役割を担うものと期待されている新潟コンベンションセンター「朱鷺メッセ」や産業振興センターなどの施設を有効に活用し、企業交流を進めるとともに販路拡大など大きな商談の機会を創り出します。
都心及び各地域拠点の中心商業地は、郊外型店舗の進出などにより以前ほどの活気が見られなくなってきています。郊外型の店舗との差別化、交通弱者の利便性の向上、商業地周辺での居住空間の整備など、事業者と力を合わせて商業地の活性化を目指します。
新市の農業は、都市と生産地とが循環型の農業生産環境の形成を行うことをはじめとして、消費者と連携し、地産地消の促進と顔の見える安全で安定した農業生産を行ないます。
また、農業経営の企業化や農業の担い手を育成し、高付加価値産品・新潟ブランド産品の生産など、農業技術の確立による信頼性の高い生産を行い、市場優位性の確保を進めるとともに、農業経営基盤を強化するなど、効率的で生産性の高い農業経営を目指します。
産・学・官・地域の連携を図った新たな活力の創出を目指すバイオリサーチパークや、県の水産海洋研究所、園芸研究センター及び新潟市の園芸センターなどの新しい農業・水産業の研究施設相互の連携を図りながら、バイオ技術を活用した、新たな農業の展開や食料供給基地「にいがた」のもう一つの顔である食品加工産業の活性化を目指します。
(2)「多様な交流ができるまち」
新潟は古くから、信濃川・阿賀野川の二大河川の河口にできた港を中心に、ものを商い、人々が交わり、情報を交換して暮らすまちでした。
新潟港は、明治元年に五港の一つとして開港された国際貿易港で、日本海側を代表する海の玄関口として発展してきました。
一方、新潟空港は、昭和48年にハバロフスク定期航空路が開設され、以後国際空港として日本海側の空の玄関口の役割を担ってきました。
こうした世界に開かれた環境を背景として、現在では、ガルベストン、ハバロフスク、ハルビン、ウラジオストク、ナント、ビロビジャンなどと交流を図るとともに、2002FIFAワールドカップでは世界各国から多くの人々を迎え入れるなど、市民レベルでの国際交流も活発になっています。
また、ロシアや韓国の総領事館が立地していることや、環日本海経済研究所や北東アジア経済会議において、環日本海地域の経済に関する調査・研究・情報提供を行うなど、環境や平和共生などの分野で積極的に提言・行動し、環日本海地域の将来に貢献しています。
このように、新市は国際港湾・国際空港を持つ、世界に向けた玄関口であり、環日本海圏の国際交流拠点として、より一層発展する必要があります。
新市は、訪れる人々に様々な交流の舞台を提供することができるまちです。それは、各地域が一つひとつ個性を持ち、その魅力を磨いているからです。
例えば、国際交流の拠点として期待される新潟コンベンションセンター「朱鷺メッセ」などを活かした国際会議や国際見本市を開催する地域、新潟まつりや白根大凧合戦などのまつりやイベントが開かれる地域、北方文化博物館や笹川邸などの伝統文化施設を持つ地域、新津丘陵、福島潟、鳥屋野潟、佐潟、佐渡・弥彦・米山国定公園に指定されている山と海などの自然景観を保全活用する地域、広大な農地を活かした参加・体験型の農業地域、新市をホームタウンとするアルビレックス新潟の活躍で、約4万人もの観客で沸き返る「ビッグスワン」などのスポーツ・レクリエーションを楽しむことができる地域、温泉を活用し古くから新潟の奥座敷として賑わってきた地域、中心市街地の活性化によってショッピングや都市的娯楽を提供する地域、そして研究・開発機関として国内外の人が訪れる地域など、それぞれの魅力に光を当てて輝かせ、有機的にネットワークさせることで、交流人口が拡大し、国内外からの人や物が交流する拠点となります。
(3)「自然と共生できるまち」
従来の大都市のイメージは高層ビルが林立し、人工的な緑地が点在する無機質なものといわれています。新市は、広大な農地、信濃川・阿賀野川の二大河川と中小の河川、福島潟・鳥屋野潟・佐潟などの水辺、佐渡・弥彦・米山国定公園に指定されている山と海、緑多い里山などの豊かな自然環境に恵まれた地域です。
その自然環境と高次都市機能の利点を活かし、弱点を補い合うことで都市的な魅力と自然環境の魅力を同時に市民に提供できる都市を目指していくことが必要です。
そのために、無秩序な開発を抑制し、自然環境や農地の保全に配慮しつつ都市化の進展を図っていく土地利用を進める必要があります。
また、豊かに広がる水辺、緑地及び里山などの自然環境と親しみ活用していくことや、環境保全型農業並びに地域循環型農業の推進も必要となります。
自動車交通の発達に伴い、排気ガスや騒音などによる環境の悪化が進んでいます。環境の悪化を防止するとともに、各都市機能の利便性を高め、これらを有機的に結び付けることが必要です。
このため、バス路線網の整備や鉄道利便性の向上、新たな交通システムの導入などの公共交通機関を充実することが重要であり、現在進められているパーソントリップ調査の状況なども見ながら、今後十分な検討を行い、環境にも、利用する市民にもやさしい都市基盤が整備されたまちづくりを目指します。
新市は、信濃川・阿賀野川の沖積平野に形成され、砂丘地や里山などの一部を除き、そのほとんどが海抜ゼロメートル地帯と呼ばれる低い土地であり、市街化の進展も手伝って、近年の集中豪雨などにおいては、多くの被害が出ています。災害に強いまちづくりを進めるために、ポンプ場や雨水浸透施設の設置などによる雨水排除能力の強化を図るとともに、防災体制の強化や広域的な災害応援体制の充実など、災害を未然に防止する対策に努め、自然と共生するにあたって、安全で安心して生活がおくれるまちづくりを目指します。
(4)「ゆとりと潤いのあるまち」
生活を充実させる上では、心身をリフレッシュしたり、趣味やスポーツ、ボランティア活動などにいそしむなど、労働時間以外の余暇の充実を図ることが必要です。
社会全体のゆとりとしては、現在の豊かさの追求だけではなく未来の豊かさを追うこと、つまり、次の世代をいきいきと育んでいく社会を創り上げる必要があります。
そのために、在宅介護支援体制の充実、特別養護老人ホームをはじめとした施設福祉の充実、子育て支援や保育の充実、心身の障害に対する十分なケア、生活習慣病の予防及び母子保健などの保健体制の充実など多岐にわたる保健・福祉分野のサービスの充実強化をさらに進めていきます。
子どもをいきいきと育むまちにするにあたっては、各地域の特性を活かした自然・社会体験学習などを通じ、自ら学ぶ姿勢を育てていくとともに、子どもの学習する環境の整備に努めていきます。
また、市民が日々の疲れを癒し、リフレッシュするために、ゆとりの公共空間である公園緑地の整備、まちなみの緑化を推進し、緑の多い美しいまちの創造を目指すとともに、丘陵、河川などの水辺空間、田園及び海浜などの自然的な環境の保全・整備・活用を図り、市民の潤い空間づくりを進めます。
加えて、安全でおいしい水を安定供給するため、上水道施設の充実を図るとともに、水質保全や生活環境の向上の観点から下水道の整備を進めていきます。
新市は、生涯学習の推進に力を注ぎ、様々な年代で学ぶこと・知ること・活動することの楽しさを覚えることで、市民一人ひとりが輝くまちとなります。そのためには、拠点施設となる図書館・博物館・生涯学習推進センターなどの整備を進め、住民が地域の垣根を越えて集まり、お互いの知識や情報を交換する機会と場を設けるとともに、活動に対しての様々な支援を行っていきます。
さらに、高齢社会を迎えて、高齢者福祉の充実の面からも、高齢者などの交通弱者の移動手段として、バス路線網の整備や新たな交通システムの導入などの公共交通機関の充実を図ります。
(5)「一人ひとりの思いを受けとめるまち」
地方分権の時代を迎えています。地域のことは地域の個性を尊重し、地域住民とともに考え進めていくことが求められています。新市においては、住民の自治を尊重し、新しい時代に最もふさわしい「分権型政令指定都市」を目指します。
政令指定都市になると、現在県が行っている事務のうち、市民生活に関わりの深い多くの事務を新市で直接行うことができるようになり、地域の実情に合わせた市民サービスの向上と、きめ細やかな行政を総合的に展開することが可能となります。
また、一定の範囲ごとに区を設定し、区役所を設置することになります。
区役所では、戸籍・住民票関係、税務、保健、福祉、各種相談業務などの業務に加え、伝統文化の発展やまちづくりなど地域の特性を活かす事業や業務を行うことが可能となり、より地域住民に密着した行政運営を行うことができます。
13市町村の合併により誕生する「大きな都市」には、一定の地域ごとに分権することが必要です。
政令指定都市移行前までは、将来の政令指定都市実現を見据える中で、支所の管理部門のスリム化などを図りながらも、住民ニーズに柔軟に対応できる組織体制とし、支所に一定の権限を付与します。また、地域の伝統や文化などを尊重し、従来の地域独自の施策を継続して展開します。
政令指定都市の実現後は、さらに行政区にできるだけ多くの権限を委ねることとします。
また、新市はコミュニティセンターなどの整備を進めるとともに、コミュニティの形成や活動を支援することにより、住民が区政に参加しやすい仕組みを作り、地域の自治組織の代表、市民団体の代表、NPOの代表及び学識経験者などの参加を求め、住民自治を育てていきます。
そして、こうした団体や住民と行政とが手を携えて協働のまちづくりを進めることで、自立した活力ある地域社会を創出します。
新市は、この合併及び政令指定都市移行を契機として、企画立案能力を備えた職員の養成に、より一層努めるとともに、簡素で効率的な組織の再編、行政評価などを活用した事務事業の再点検、民間活力・民間能力を活用した行政運営の推進やコスト意識の徹底、補助金の見直し、人事評価制度の構築などの不断の行財政改革を進めることにより、高度化・多様化した市民の思いを受けとめる体制づくりを図り、市民一人ひとりが主人公として発展するまちを目指します。
また、旧市町村に設置される地域審議会を活用することで、旧市町村の住民の意向をまちづくりに反映させるとともに、政令指定都市実現の後には、地域審議会を発展させた附属機関を設けるなど、住民が区政に参加しやすい仕組みを作ります。
2 各地域の役割
「新潟都市圏ビジョン」で示している4つの「発展・連携軸」を参考に、既存の市町村区域を単位とし、地形・地物などの要素を考慮して、以下の6つの地域割を設定しました。なお、政令指定都市移行後の区割については、条例設置の審議会によって十分検討され、決定されるものです。
(1)新潟市地域の役割
新潟市地域には、行政、文化、教育、産業などの様々な都市機能が集積しており、まさに新市における中枢拠点地域として、高次都市機能の更なる集積と自然環境の整備・保全に努め、都市と豊かな自然が調和・共存するまちづくりを進めます。
(1)国の機関や国際関係機関などの誘致に努め、新市並びに県内外の行政機能の中枢拠点としての役割を担います。
(2)合併により人口約78万の大都市となることで、新市の拠点性が飛躍的に高まり、商業・サービス産業をはじめ、福祉・医療・環境ビジネスなどの新たな産業が創出され、雇用の拡大が期待されることから、世界に通ずる特色のある企業などの育成を支援し、新市並びに県全体の商業機能の中枢拠点としての役割を担います。
(3)海・空・陸の玄関口として、それぞれ新潟港、新潟空港、新潟駅を有するとともに高速交通網として、北陸自動車道、磐越自動車道、日本海東北自動車道、上越新幹線などの恵まれた交通条件を活かし、日本海側の国際交流拠点としての役割を担います。
(4)国際交流の拠点地域として、大きく発展していくための中核的役割を担うものと期待される「朱鷺メッセ」、質の高い芸術鑑賞の場である「りゅーとぴあ」、2002FIFAワールドカップの会場となった「ビッグスワン」、日本海側最大級の「マリンピア日本海」など、新市を代表する基幹的な各種施設を備えており、こうした施設の更なる集積と有効活用を進めるとともに、新市全域における広域的な観光資源とのネットワーク化を推進することで、文化・スポーツ・観光機能の中心としての役割を担います。
(5)「まちなか」の活性化を目指し、中心商業地近隣における定住人口の増加と商業活動の活性化を図るため、市街地中心部における土地の高度利用を促進し、快適な都市空間の創出と住環境の改善に努め、職住近接型の優良な住宅を供給する役割を担います。
(6)新潟市地域の自然的特色である信濃川・阿賀野川をはじめとした河川、鳥屋野潟・佐潟などの水辺においては、市民のスポーツ活動や心身のリフレッシュの場を提供します。
また、夕日の美しい日本海の海岸部においては、海岸線に連なる砂丘地や松林の保全に努めるとともに、マリンスポーツなど海洋性レクリエーションの好適地として、市民はもとより多くの県外客からも利用されている海水浴場をはじめとした海浜空間を整備し、市街地中心部から至近に位置する広大な自然空間を貴重な観光資源として活用することで、新市における高次都市機能と自然環境との調和・共存の象徴となります。
(2)豊栄市地域の役割
豊栄市地域は新市の北部、阿賀野川以北に位置しています。
当地域の北部に位置する中核国際港湾新潟東港は、国際貿易の玄関口としての役割を果たしており、韓国、中国、東南アジアなどのコンテナ航路により、その取扱量は年々大きな伸びを見せています。
また、新潟東港を中心に県下最大の新潟東港工業地帯が広がり、周囲の恵まれた高速交通網を活かした活発な生産活動が行われています。このため、新潟東港とその周辺に貿易・物流・工業関係の施設や企業がさらに集積するよう都市基盤の整備を進め、新たな雇用の場や国際物流拠点としてのまち づくりを進めます。
当地域は、県内最大の湖沼、福島潟をはじめ、阿賀野川、田園風景や砂丘地の松林など、多くの恵まれた自然環境を有しています。これら豊かな自然環境に恵まれた快適な居住環境を提供するとともに、阿賀野川や福島潟などの水辺を、自然体験や親水スポーツ、観光などの機能を持つ空間として整備し、潤いのある憩いの場として多様な交流が図られるまちづくりを進めます。
当地域の農業は、稲作を中心に、露地野菜や果樹などの都市近郊型産地として高い評価を得ています。今後も優良農地の保全に努めながら、新市における安定した農産物の生産地としての展開を図ります。
(1)新潟東港における既存航路や外貿コンテナ埠頭の拡充、新規航路の誘致などの港湾機能の充実と、背後地への物流団地の整備や物流関連企業の誘致を図ることにより、近隣県も含めた国際物流の中枢的機能を担います。
(2)恵まれた高速交通網を活かし、新潟東港工業地帯を中心に一層の企業立地を推進し、新市における工業生産の一翼を担います。
(3)福島潟をはじめ、阿賀野川や砂丘地の松林、広大な田園風景などの豊かな自然環境を保全するとともに、自然体験や親水スポーツ、観光の拠点としても活用することにより、水辺空間を活かしたレジャー、観光機能を担います。
(4)自然環境の保全と併せ、中心市街地の整備などにより、市街地や商業などの活性化を図るとともに、新たな交通システムの導入、パークアンドライドなどTDMやITSなどの施策の推進により、利便性の高い自然に恵まれたゆとりある居住機能を担います。
(5)市街地開発との調和、均衡を図りながら優良な農地の保全に努め、地産地消システムの確立などの施策の展開により、安定した農業経営を推進し、新市における総合食料基地としての一翼を担います。
(3)亀田町・横越町地域の役割
亀田町・横越町地域は、新市のほぼ中心部に位置し、土地改良事業により整備された広大な優良農地では水稲を基幹作物とし、そ菜、果樹、花きなどの生産による大食料生産基地となっています。
日本海東北自動車道をはじめ、国道49号・403号、主要地方道や大外環状道路など広域幹線道路の結節点やJR信越本線などの交通の要衝に位置することから、大規模商業施設や福祉文教施設を活用した人・物が交流するまちづくりを進めます。
豊かに広がる田園や阿賀野川をはじめとした魅力ある自然環境や、北方文化博物館など歴史的地域資源を大切にし、生活に潤いと安らぎを提供するまちづくりを進めます。また、豊かな自然環境を後世に残すため、地域ゼロエミッションを取り入れた環境に配慮したまちづくりを進めます。
- 新市のほぼ中心に位置するとともに、都心部へのアクセスが良好なことから、都心部の持つ様々な機能を補完する副都心機能を担います。
- 都心方向に向かう慢性的渋滞の解消のため、JR新駅の設置などによるパークアンドライドなどTDMや関連施設の整備を進めます。
- 歴史や伝統、"食"を基軸とした各種産業、JR亀田駅周辺地域における福祉文教施設などを活用した人・物の交流の拡大に努めます。
- 新エネルギーの導入に積極的に取り組み、地域資源の有効活用を図るなど、環境にやさしいまちづくりを進めます。
- 農・工・商の各産業が連携した新たな産業形成の創造を目指します。
- 恵まれた交通網を活かした流通・商業機能と快適な居住機能を担います。
- 優良農地を活かした都市近郊型農業による食料供給機能を担います。また、都市近郊という条件の中で、多様な生産販売による生産者と消費者の交流を拡大します。
(4)新津市・小須戸町地域の役割
新津市・小須戸町地域は、緑豊かな里山、丘陵地や阿賀野川・信濃川及びこれを結ぶ小阿賀野川、田園景観など恵まれた自然環境の保全・活用に努め、人と自然が共生した美しいまちづくりを進めます。
豊かな自然と調和し、交通の利便性を活かした快適で安全な居住機能を担うとともに、憩いと安らぎを提供する自然体験型のレジャー・交流機能を担い、にぎわいのあるまちづくりを進めます。
また、新潟薬科大学を核として産・学・官・地域の連携したバイオビジネスの中核的研究開発拠点形成を目指すバイオリサーチパーク構想を推進することにより、学術・研究開発機能を担い、新産業の創出や地域産業の新たな展開を図り、活力あるまちづくりを進める一方で、環境にやさしいまちづくりに先導的に取り組みます。
また、歴史ある文化、培われてきた産業を活かし、個性豊かなまちづくりを進めます。
(1)新市の大きな魅力である里山は、多種多様な植生により、生態系の保全、二酸化炭素の吸収、森林資源の供給のみならず、森林浴、治山治水、水資源の涵養など、景観を含めて多くの機能を有しています。それらの保全に努めるとともに、丘陵地内の各種施設を遊歩道で有機的に結ぶなどの一体的な整備を進め、市民が心身をリフレッシュしたり、体験・学習・社会参加できる交流の場としての機能を担います。
(2)固有の自然景観を形成する河川空間は、豊かな水の恵みをもたらす一方で、多様な水生生物の生育空間でもあります。これらの保全を図りながら、親水空間として水辺の整備を進め、自然環境教育やレクリエーション・スポーツの場としての機能を担います。
(3)交通基盤の整備に努めるとともに、矢代田駅周辺整備、パークアンドライドなどによるTDM施策やITS施策を推進し、都心などへの通勤・通学・通院や買い物が便利で周辺の豊かな自然環境と調和した快適で安全な居住機能を担います。
(4)産・学・官・地域が連携したバイオリサーチパーク構想の推進により、豊富な農水産資源を有する新潟の特性を活かし、食品・環境・医療・農業などの分野における実践的な研究開発の拠点機能を担います。
(5)豊かな自然環境の保全を目指し、資源循環を基調とした新エネルギーの導入やバイオ技術の活用により、地球環境の保全をも視野に入れた環境にやさしいまちづくりの先導的な役割を担います。
(6)優良農地を活用し、環境にやさしい、安心・安全な農産物の供給機能を担うとともに、全国屈指の花き・園芸の生産拠点としての役割を担います。また、花き産地として、潤いのある都市景観の形成を目指し、緑花推進の先導的な役割を担います。
(7)石油や鉄道、花き・園芸など地域固有の資源を活用するとともに、体験農場や市民農園、そして農産物の展示直売所などの整備を図り、農業振興と観光交流拠点の一翼を担います。
(5)白根市・味方村・月潟村・中之口村地域の役割
白根市・味方村・月潟村・中之口村地域は新市の南部に位置し、信濃川・中ノ口川の両河川によって育まれる広大な農地の広がりに代表される、豊かな自然環境と調和したゆとりある居住環境の整備をめざします。
また、地域内移動及び他地域間の移動に係る定時性の確保など、交通の利便性が高いまちづくりを進めるとともに、水害をはじめとした防災に対する体制の強化や災害を未然に防止する対策など、災害に強いまちづくりを進めます。
さらに、仏壇や鎌などの伝統的な地場産業をはじめとする各種製造業や、米・野菜・果物などの総合食料基地としての農業など、伝統に裏打ちされた技術によりつくられた生産品を地域ブランドとして高めることに加え、製作体験・農業体験による交流などを通じてものをつくり出すよろこびを共有するなど、ものづくりや観光を通して、市民相互及び市外在住者と市民との交流・国際的な交流の輪が広がる、にぎわいのあるまちづくりを進めます。
(1)優良な農地を活かし安全で安心な農産物の供給を図り、地産地消はもとより日本全国を見据えた総合食料基地の役割を担います。また、環境に配慮した循環型農業の確立を目指すとともに、高品位・高付加価値産品の栽培を軸に夢の持てる農業を目指していきます。
(2)農地の持つ多面的機能を有効に活用するため、体験農場や市民農園、そして農産物直売所、農業研修所などの多様な機能を持つ大規模公園の整備を図り、新たな雇用の創出をはじめ、ものをつくり出す喜びによる交流を図ります。また、国際競争力のある農業生産と地域ブランドの確立を目指すため、環日本海をも視野に入れた農業研究を積極的に進めることや、諸外国の農業研修生などの受け入れを行うなど、「農」における国際交流拠点の役割を担います。
(3)地域内及び新市中心部などへの通勤・通学に対する定時性の確保や交通弱者に対する移動手段の確保を図るため、新たな交通システムを含む公共交通機関の構築を目指します。
(4) 都心と隣接しながらも、豊かな自然環境や優良農地に配慮した、交通の利便性が高い良好な都市近郊住宅地域としての役割を担います。
(5)高速道路などの交通ネットワークを活かした内陸型工業地域及び流通業務団地としての役割を担います。併せて、高度な技術を有する地域内の伝統的な地場産業の振興を図ります。
(6)白根市のしろね大凧と歴史の館・味方村の笹川邸・中之口村の先人館などの地域内にある観光拠点や観光農園、白根大凧合戦や角兵衛獅子などの観光資源を活かし、新市における観光・レジャー機能の一翼を担います。
(7)地域の文化・スポーツの向上を図るため、図書館をはじめとした文化施設の連携と、各種スポーツ施設の更なる充実を図り、新市における文化・スポーツ機能の一翼を担います。
(6)西川町・潟東村・岩室村地域の役割
西川町・潟東村・岩室村地域は新市の西部に位置し、国道116号・402号、各主要地方道、JR越後線沿線を中心とする地域であり、また、潟東村には高速自動車道の巻・潟東インターチェンジが設置されるなど、高速交通網の整備も進んでいる地域であり、交通の利便性が高く、都心のベッドタウン地域として、安心して暮せる生活環境を確保するまちづくりを進めます。
また、利便性の高い交通網を活かし、都市近郊における雇用創出に向けた工場地域を配置するまちづくりを進めます。
自然災害が少ないこと及び交通の利便性から、近年新潟市のベッドタウンとして、数多くの住宅団地が形成されており、今後も豊かな自然環境と調和した居住環境の整備を進めます。
新潟平野の穀倉地帯であることから、優良農地の保全及び稲作経営などの安定健全化を進めます。
さらに当地域は、地理的には変則的となり、一部飛び地を含みますが、国県道、主要地方道、広域農道などによる交通・情報ネットワークの利活用を図りながら、温泉や海岸など恵まれた自然環境・観光資源などを活かした観光地として、また、人々の憩いと交流の場としてのまちづくりを進めます。
(1)新市の西の玄関口として、新市の情報を発信する役割を担い、また、国道116号など国県道の整備を促進し、都心への通勤・通学などのための良好なアクセス交通網の役割を担うとともに、都心に向けた主要交通網沿線の市街地を活性化させるまちづくりの一翼を担います。
(2)優良な農地を活かし、地産地消はもとより、有機農法による環境保全型農業を推進し、高付加価値産品としての総合食料供給基地の一翼を担うほか、稲作と野菜や酪農などとの複合経営を推進するとともに、市民農園や体験牧場などの参加・体験型の農業地域としての確立を目指します。
(3)高速道路のインターチェンジなどを有効活用するために、交通網の整備を行い、工業団地の進出を図り、物流基地としての一翼を担うとともに、田園風景に適合する新しい産業、ベンチャービジネスの導入を目指します。
(4)交通渋滞緩和のため、パークアンドライドなどの施策を実施するために、インターチェンジ周辺及びJR越後線の越後曽根駅周辺の大駐車場の整備、また、JR越後線のダイヤ改正、複線化を要望し、電車の増便を図ることにより、新市の都心への玄関口としての役割を担います。
(5)福祉施設及びその関連施設を活用し、また、更なる福祉関連施設の整備を図るとともに、保健・福祉分野のサービス産業の進出を促進し、安心して暮らし続けられる福祉ゾーンとしての一翼を担います。
(6)自然災害の少ない特徴を活かし、自然環境を活かした良好な住環境の整備を進め、より良い居住環境を提供し、都心のベッドタウン地域としての役割を担います。
(7)間瀬海岸、多宝山、弥彦山スカイライン、岩室温泉など豊かな自然環境に恵まれており、それらの観光資源を有効活用し、新市における観光・レジャー機能、そして交流拠点としての役割を担います。
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