ボツリヌス食中毒について

最終更新日:2019年1月4日

 ボツリヌス食中毒は、ボツリヌス菌に汚染されたいずしやからしレンコン等の食品が原因となって消化器症状、神経症状等を引き起こします。蜂蜜による乳児ボツリヌス症が問題となっており死亡事案も発生していますので、1歳未満の乳児に蜂蜜を与えないよう注意してください。

ボツリヌス菌について

 ボツリヌス菌は、土壌中や河川、動物の腸管など自然界に広く分布しています。毒性の強い神経毒を作り、外部環境に対して極めて抵抗性の強い芽胞(※)を形成することが知られています。
 酸素がない環境を好むことから、缶詰、瓶詰、真空パック食品、レトルト類似食品、いずしなどの食品で食中毒が確認されています。
 また、1歳未満の乳児は、腸内の環境が成熟していないため、成人と比較してボツリヌス菌の影響を受けやすく、原因食品と共に体内に摂取されたボツリヌス菌が乳児の腸管内で毒素を産生し、乳児ボツリヌス症を発症します。

※芽胞とは・・
 ボツリヌスなどの菌は、増殖に適さない環境において、身を守るために芽胞を形成し、適した環境になると芽胞から発芽して増殖します。芽胞は熱や乾燥といった外部刺激に高い抵抗性を持っているため、死滅させるには120℃4分以上またはこれと同等の加熱が必要です。 

症 状

 8~36時間の潜伏期間の後、吐き気、嘔吐、筋力低下、脱力感、便秘、神経症状(複視などの視力障害や発声困難、呼吸困難など)がみられますが、抗毒素血清による治療により致死率は約30%から4%程度まで低下するといわれています。
 乳児ボツリヌス症については、便秘、筋力低下、泣き声が小さくなる等の症状が認められます。誤って1歳未満の乳幼児に蜂蜜を与えた後にこれらの症状を認めた場合には、速やかに医療機関を受診してください。
 

予防対策について

 容器が膨張している缶詰や真空パック食品は食べないようにしましょう。また、1歳未満の乳児には蜂蜜や蜂蜜入りの飲料・お菓子等の食品を与えないように注意してください。

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